就業規則を作成するメリットがわからないという経営者の方が多くいます。調べると就業規則のメリットとして様々なことが語られます。
就業規則を整備することのメリット一覧
例えば、以下のようなメリットが良く言われます。
会社の方針の見える化:曖昧だったルールを明確にすることで、社員全員が同じ方向を向いて進めるようになります。
労使トラブルを防止できる:ルールを明確にすることで、未払い残業や休暇などのトラブルを未然に防ぐことができます。
社員のやる気を引き出せる:賃金制度(評価制度や昇給基準)を明確にすることで、頑張りが報われる仕組みを作ることができます。
働きやすい職場が実現できる:休暇制度やハラスメント防止規定など、社員が安心して働ける環境に必要な制度を整備できます。
社員が安心して働ける:キャリアパスや評価制度を明確にすることで、社員が将来の見通しを持てるようになります。その結果、離職率が下がる。
法的義務を果たせる:メリットというのはおかしな話ですが、法律に沿った規則を整備することで、法的な義務を果たすことができます。
採用での差別化ができる:他社と差別化できる制度(働き方の柔軟性など)を明文化することで、採用時の強みを作ることができます。
労務管理の効率化:ルールが明確になることで、判断基準が統一され、管理にかかる時間やコストを削減できます。
意思決定のスピードが上がる:採用、昇進、異動、懲戒など、重要な判断の基準や手続きが明確になり、公平な運営ができます。
上記のように、就業規則を作成することで得られるメリットは様々です。しかし、これは就業規則を作成しさえすれば自動的に得られるものではありません。誰が作成したか(その内容)によって、実際に得られるメリットは大きく変わってくるのです。
専門家に依頼する場合、社労士・弁護士によって得意分野や重視するポイントが異なります。
また、自社で作成する場合には書籍やインターネット上のひな型を使用することが一般的ですが、その場合も目的に合った雛型を選ぶことが重要です。例えば、書籍のタイトルや前書きを読むことで、その雛型がどのような意図で作られているのかを確認できます。
つまり、専門家に依頼するにしても、自社で作成するにしても、どのような就業規則にしたいかという目的を明確にすることが大切なのです。
例えば、当事務所の例でご説明すれば、ご依頼の目的としては以下が多いです。
問題社員対応するための就業規則(会社の秩序を守る)
残業代の対策のための就業規則(残業を減らす
社員への賃金の適正な配分のための賃金規程
どれも得意とするところです。
就業規則作成のメリット:人事部の機能の立ち上げ
しかし、今回は、あまり知られていない就業規則作成の大きなメリットをお伝えします。
就業規則には、採用から退職まで会社の人事制度全体を網羅します:
採用、異動、出張、休職
労働時間、休日、休憩、休暇
賃金制度
社員が守るべき規則
退職、解雇
懲戒
つまり、就業規則を作成する過程で、一通りのことを必ず検討し、中には知らないこともあるはずですから、一通り、人事労務管理の基礎を学ぶことができるのです。
当然、法律を踏まえた内容にするのですから、法律も学べます。つまり、法律上許されていることと、許されていないことを理解することができるようになります。そして、労務管理上、会社を守るにはどうしたらよいかということも検討するはずです。
このような体系的な就業規則の作成により、人事機能の多くを担えるようになります。実際に、以下のようなお客様の声をいただいております。
■お客様の声:就業規則をしっかりと整備しておけば人事部なんていらないのではないかとさえ思いました(石川商店:3代目社長様)
会社をこれからもっと大きくしていこうと思ったとき、会社の規則がしっかりしている必要があると思いました。きちんと会社のルールが決まっていれば、従業員も余計な心配などせずに安心して働けると思ったからです。良い人材を採用するには制度をしっかりと整備することが必要だとも思いました。自分が社長を辞めても、その後も会社がずっと存続していく。そのためには就業規則を整備して仕組化していく必要があると思いました。
就業規則をしっかりと整備しておけば人事部なんていらないのではないかとさえ思いました。就業規則を読めば誰でも当社の制度・決まりごとがわかるという自動化システムができあがったと思います。
このようなお客様の声を頂けたのは、当事務所の力だけでなく、お客様企業の明確な目的とモチベーションがあってのことですが、当事務所がご提供した内容は以下の通りです。
■当事務所の具体的なサポート内容:
・就業規則作成過程での労働法の解説
・過去の労務トラブル事例に基づく対策アドバイス
・解説資料とレポートの作成による知識の定着
・就業規則変更時の社内合意形成サポート
これらを通じて、このようなお客様の声を頂けたのだと思います。就業規則という紙の書類を作成しただけでは意味がありません。
また、「就業規則は運用が大切」とよく耳にすると思います。それは事実ですが、そのために必要なことは就業規則作成を通じて「人事労務の基礎」を学ぶことです。
この学びがあるからこそ、適切な運用が可能になり、会社の成長に合わせて規則を進化させることができるのです。就業規則整備を通じた「学び」こそが、本当の意味での人事機能の土台となるのです。
なお、本来、このようなサービスは多くの社労士事務所では顧問契約を結ぶことが前提になっているようですが、当事務所では、就業規則の料金の中に含まれています。就業規則の専門事務所だからです。
スタートアップ企業だけでなく中小企業全般に有効
このような「人事部の機能の立ち上げ」は、特に、スタートアップ企業に有効ではありますが、中小企業全般に有効です。
今まで、社長が会社全体を見て、逐一、指示を出していた企業が就業規則の整備を通じて、組織として一体感を持つことができるようになるからです。
今回は、あまり語られることのない就業規則作成のメリットを実際のお客様の声を挙げ、ご説明させていただきました。
当事務所では、先ほど述べた通り
問題社員対応するための就業規則(会社の秩序を守る)
残業代の対策のための就業規則(残業を減らす
社員への賃金の適正な配分のための賃金規程
これらの目的でのご依頼が多いですが、ここには挙げていないような目的を持った会社様からのご依頼を多く受けております。
こんなことを頼んで良いものか?と思ったなら当事務所にご相談してください。就業規則の関連業務に専門特化したい数少ない事務所です。開業以来、業務のほとんど全てを就業規則関連に費やしてきました。ご相談を受けた際に、「初めて聞いた」という内容は殆どなく、御社独自jのご事情を抱えていてもお役に立てるのではないかと思います。以下のページからお問合せください。
事務所の代表が原則として24時間内にメールにてご連絡させていただきます。
フェスティナレンテ社会保険労務士事務所
代表・特定社会保険労務士 小嶋裕司
執筆者プロフィール
就業規則に特化した特定社会保険労務士。15年以上を通じて、99%以上が就業規則関連業務である。30名から60名規模の企業を中心に、スタートアップから創業100年を超える老舗企業まで幅広い企業の就業規則作成を支援。特に労働時間管理・残業代対策を得意とし、企業の成長に合わせた就業規則の整備を通じて、人事機能の確立をサポートしています。会社規程の作成・見直しの実績は累計400を超える。